物理の哲学

物理学の原点は古代ギリシャの自然哲学にあり。
以降徹底的な実験主義と一般化を両輪にして今日まで突き進んできたわけですが、各分野ごとに微妙な哲学の違いが有るように感じたのでまとめました。

ガリレイの力学

天動説vs地動説で有名なガリレイさんですが、力学の有名な発見は振り子の法則でしょう。
ガリレイ流の慣性法則も物体が同じ『高さ』に戻ろうとする性質に注目しています。(いまで言う力学的エネルギー保存則)
また落下の速度も質量によらず同じであることを実験的に明らかにしています。

これらのことから、落下と高さから物事を明らかにしようとする姿勢が見受けられます。

ニュートンの力学

ニュートン力学といえば次の3つからなる運動の法則

  • 力が釣り合っている状態で物体は等速直線運動をする(慣性の法則
  • 運動量の変化量は加えた力に比例する(運動方程式
  • 物体に力が働く時、大きさが同じで真逆の方向の力が発生する(作用反作用)

それと万有引力の法則でだいたいまとまってしまいます。

前提としてニュートン力学は三次元のユークリッド空間とそれと独立なスカラー量としての時間を置いています。
しかしこれは特別な考え方ではなく、位置と時間を定量化したら自然と得られるもので特筆すべきことではないでしょう。

時間や空間よりもニュートン力学の思想を語る上で重要となるのは『力』でしょう。
ニュートン力学の演習問題などを解いているとわかりますが、力が非常に重要なファクターになっています。
というのも運動の法則は3つとも力が全てつながっています。
しかもその上、天体の運動まで万有引力という『力』で説明してしまうという強引さ。

ニュートン力学は力学の名に恥じない『力』によって全てを説明する学問なのです。

電磁気学

電気と磁気の学問は長いですが、マクスウェルにより完成された今日の電磁気学は電場と磁場の理論です。
空間そのものが状態を持つというのは非常に独特な考え方で、多くの理系学生を屠ってきました。

空間自体に状態を持たせるとどうなるかというと、電気や磁気の力は一見遠隔地に力を送り込んでいるように見えて、場を通して接触して力を伝えているということになります。
この思想は非常に重要で、離れていた力を地続きにしてあげたことで順序関係が明確になります。(局所因果律

電磁気学は空間と物体を繋ぐ因果の理論なわけです。

相対性理論

あらっぽくまとめると電磁気学ニュートン力学の矛盾を解消するために生まれた学問が相対性理論です。

空間の性質を記述する電磁気学と、物体の運動を記述するニュートン力学、観測者が止まっていると辻褄が合いますが、観測者が動いている状態を想定すると矛盾が発生するという問題がありました。

経緯を全部すっ飛ばすと、相対性理論では時間と空間を統一した4次元時空と言うものを想定して幾何学的に取り扱うことで解決しています。
時間と空間を纏めて扱って幾何の問題として取り扱ってしまう、そこに相対性理論の特徴があります。

さらに重力と加速の反動が全く同じものであるという発想(等価原理)から重力も幾何学上の曲がり具合(曲率)として織り込んでしまいます。
全ての物体の運動は幾何学上の直線(世界線)として表されるが、空間自体が湾曲しているので軌跡が曲がって見える。これが重力の正体というわけです。
晩年は電磁力も幾何的な歪みとして取り込もうとしていたようです。

これらの根底には、観測者がどんな動きをしているしても同じ物理法則が働いているべし(共変性原理)という思想があります。
観測者の運動を計算に繰り込むには、時間と空間を同時に取り扱う幾何学を構築するしか無かったという感じです。

相対性理論は『時空の幾何学という普遍的なものが存在して、時間とか空間とか重力とかはただの見え方』という哲学が伺えます。
4次元時空、横から見るか、下から見るか。

量子力学

量子力学は多くの人が携わっているので様々な思想が入り混じっているように思います。

量子力学の起こりは電磁現象がナノレベルで飛び飛びの値になってる(量子化)っぽいというところからスタートしています。
いままで全部アナログでやってきたじゃん?なんでナノレベルだとデジタル化するのんさ?
ということで電子は波だの光は粒だの大混乱を経て行列力学波動力学として定式化されていくわけです。

行列力学

起こりを見るにハイゼンベルグさんは飛び飛び値を算出する方程式を先に作り、そこから不確定性原理に到達したようです。
非常に実験的というか、帰納的なアプローチですね。

波動力学

まず物質波が有ることを想定して波の方程式を作ったらうまくハマっちゃったって感じですね。
どちらかと言うと演繹的なアプローチであまり物理らしからぬって感じです。

結局両者は表現が異なるだけの同じ理論ということが証明されるわけですが、考え方の違いというのが見受けられます。

粒子の状態が飛び飛びの値を取るというのはわかりますが、中間の状態で放り込むとどっちの値になるのか?
実は近い方に寄せるとかではなくランダムに決まってしまいます。
「んなアホな事有るかい、ガチャかよ」とアインシュタイン先生も突っ込んだんですがどうも実験的に確かな現象のようです。

この宇宙を巻き込むガチャの謎は未だに決着がついておらず

とまぁ色々有るわけです。

とりあえず今は「どのみち確率は計算できるから統計取ったら実験できるっしょ」ってことで有耶無耶にして先に進んでいます。
いいのかなぁ・・・・

まとめ

一括りに物理と言っても色々な観点が有るのがわかりますね。
実生活には1ミリの役にもたちませんが、物理を学ぶと柔軟な考え方を身につけることができます。
たまには自然を哲学してみてはどうでしょうか?

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